NISAは、利益に税金がかからないからお得だって聞いたことがあります。でもNISA以外にも、つみたてNISAもありますよね。何がどう違うんですか?
違いが分かりにくいと言われる「NISA」と「つみたてNISA」は、まったく違う商品なんです。どんな違いがあるのか、見ていきましょう。
「NISA」と「つみたてNISA」の違い
「NISA」とは、イギリスの制度「ISA(Individual Saving Account)個人貯蓄口座」からきています。ISAも非課税制度で、イギリス人口の約40%がISA口座を持っています。
日本版ISAだから、頭に「Nippon」の「N」をつけて「NISA」です。
「NISA」の正式名称は「少額投資非課税制度」です。大きく2種類「一般NISA」と「つみたてNISA」があります。
「つみたてNISA」は、その名の通りつみたて方式の商品です。
毎月コツコツと資産を積み上げていって、長期間投資します。
長期間積み立てることでリスクが分散できる投資方法です。
年間投資限度額は40万円で、100円からでも積み立てられます。
「つみたてNISA」がおすすめな理由は、金融庁が厳選したファンドしか買うことができない点です。
金融庁が設けた基準をクリアしたファンドしか含まれていないので、初心者でも大きくは失敗しにくいのです。
・「つみたてNISA」は毎月コツコツと積み立てをする長期間投資で、現状の年間投資限度額は40万円
2024年に改正されて「新NISA」に変わり、「つみたて投資枠」は年間120万円まで可能になる
「一般NISA」の年間投資限度額は120万円です。
幅広い商品から選ぶことができる反面、自分で良い商品を選ぶことが出来なければ大きく利益を上げることも難しくなります。
債券やFXはNISA対象外です。
「一般NISA」は2024年に改正されます。
詳しくは図を参照してください。
「一般NISA」は「新NISA」に変わります。
変更には手続きが必要になるので、現行NISAを利用している方はご注意ください。
・「一般NISA」は、現状では年間投資限度額120万円
2024年に改正されて「新NISA」に変わり、「成長投資枠」は年間240万円まで投資可能になる
「つみたてNISA」の特徴
「つみたてNISA」は100円単位の少額から積み立てが可能で、20年間は運用益や分配金、譲渡益が非課税になるのが大きなメリットです。
商品も豊富で口座管理手数料がなく、かかる手数料が安いものが多いです。
iDeCoと違って途中で解約して引き出しができることもポイントとなります。
現行の「つみたてNISA」は年間非課税投資枠の上限40万円を毎月均等額で投資しようとすると、月3万3333・・と12ヶ月で割り切れない金額に設定されていました。
その点が「新NISA」では使い勝手が改善されて、年間非課税投資枠の上限が120万円になり、12ヶ月で割り切れる数字になります。
「NISA」の特徴
「つみたてNISA」が長期投資向きの商品であるのに対して、「一般NISA」は個別株の売買に向いている商品です。
「新NISA」全体の生涯非課税投資枠は1800万円です。
ただし、「成長投資枠」のみを使用する場合は1200万円が上限です。
この生涯非課税投資枠1800万円は、再利用が可能なのが大きな改善点です。
現行制度では、毎年の非課税枠は使わなかったり株を売却したりすると非課税枠が消えてしまう仕組みでした。
それが「新NISA」では株を売却したら元本分翌年の非課税枠に「空き」ができる仕組みになります。
NISAの配当金受け取り方法には気をつけよう
NISAで得た配当金の受け取りは、「株式数比例配分方式」を選ぶ必要があります。
「株式数比例配分方式」とは、上場株式の配当金やETF、REITの分配金を証券口座で受け取る方法のことです。
配当金を非課税にするためには、決められた期日までに「株式数比例配分方式」に変更しておきましょう。
「新NISA」の注意点
現行の「NISA」制度に比べると生涯投資枠も拡充されて、売却しても枠に「空き」が出来るなど、良いこと尽くめに見える「新NISA」ですが、注意点もあります。
- 売却しても非課税枠を捨てることにならないということは、少しの値上がりで売却しがちになるということでもあります。
長く市場にとどまらないと、大きな利益を得るチャンスを逃す可能性が高くなります。 - 現行NISAで購入した株式や投資信託は、「新NISA」とは別枠扱いです。
2023年に購入した「一般NISA(非課税期間5年)」の資産は2027年まで、
2023年に購入した「つみたてNISA(非課税期間20年)」の資産は2042年まで非課税で「新NISA」とは別枠で運用が可能です。
それぞれの非課税期間終了後は課税口座に時価で払い出しされます。 - 2024年以降の新NISAにロールオーバーがない
一般NISAは非課税期間が5年と短く、非課税期間が終了したあと、NISA口座で保有している投資信託を翌年の非課税枠に移行する「ロールオーバー」が可能でした。
しかし、新NISAでは非課税期間が撤廃されるため、ロールオーバーもなくなります。
2024年以降に非課税期間が終了する一般NISAは、自動で特定口座などの課税口座に移管されます。
そのため、このタイミングで資産を売却して、新NISAの枠として使うのも手です。
「ジュニアNISA」
「ジュニアNISA」は、2023年末で投資可能期間が終了します。
2023年末の時点で18歳になっていない場合は、2024年以降も18歳になるまで非課税で運用可能です。
「ジュニアNISA」の非課税期間5年が経過すると、「継続管理勘定」にロールオーバー(移管)できます。
18歳未満の払い出し制限は2024年以降撤廃されて、未成年者は好きなタイミングで資金を引き出せるようになります。
ただし、その場合すべての商品を払い出し、口座を廃止しなければいけません。
2024年以降に成人を迎える場合は、課税口座に払い出しか、売却した資産を「新NISA」で運用のどちらかを選択する必要があります。
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